「嚥下の見える評価をしよう!頸部聴診法トレーニング」を読んでみた

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今月上旬、今治保健所主催の勉強会でHITO病院のSTの先生が、嚥下評価の1つとして頸部聴診法を紹介してもらったので興味を持ったので買ってみました

 

 

訪問リハビリに結構な年数関わっていますが、誤嚥性肺炎で入院してしまう方は本当に多いんですね

ぼくはPTなので食事の際のポジショニング(姿勢)や摂食動作程度ぐらいしか評価できないため、何とか誤嚥を減らせないか悩む事が多いんです

その誤嚥の可能性を評価する方法の1つが頚部聴診法なんです

そこで約6700円とちょっと高かったですがこの前の呼吸の講師をした自分へのご褒美とこじつけて、ポチッと注文してしまいました(^^ゞ

 

今までSTさんが食事介助をされている時、毎回介入前に必ず吸引をしてからされているので、何故吸引するのだろうとイマイチ理由が分かりませんでした

吸引は気管粘膜損傷等のリスクもあるのに……食事の際の覚醒度を上げたいであれば、吸引ではなく動かせばいいのに……など恥ずかしながら思ったりしていました

その場でSTさんに聞けば良かったのですが、聞いたら悪いような気もして聞けませんでした(・_・;)

 

 

この本を読んでその疑問は解決しました

p39 に

咽頭分泌物貯留が多いと、食べ物がそれに付着して気管に引き込まれるリスクがあり、自己喀痰が困難な方は食前に吸引する事で誤嚥リスクを減らせる

との記載がありました

痰が気管へ食べ物を誘導していまうんですね、なるほど納得。

おそらくSTさんは食介時のルーティーンで吸引されていたのではなく、 ぼくが観た患者さんが自己喀痰困難な方だったため声帯周囲に痰がこびりついていたのかもしれません(^_^;)

 

 

またこの本を読んでいて、嚥下の際に下顎が固定されること(入れ歯が合っていること)の重要性にも気づかされました

写真 2016-02-25 21 04 47

嚥下の見える評価をしよう!頸部聴診法トレーニング図4から引用改変

 

上の図より分かるように喉頭は舌骨上筋群を介して下顎から吊り下げられている状態なので、義歯の不適合などでベースとなる下顎の安定性が悪ければ、喉頭挙上の不安定さに繋がる⇒ 喉頭蓋の閉鎖不全⇒ 誤嚥リスクが増加することが想像しやすかったです

 

この本には、この様な分かりやすい図が多く掲載されています

 

またこの本のメインである頚部聴診法の所では、DVDでVF映像とリンクした様々な嚥下音を聴くことができました

この音がする時には喉頭蓋でこんな事が起きている可能性があるのかと参考になりました

 

またページの所々に「体験してみよう」というコーナーがあり 読み進めながら自分1人で行える方法が載せられており、なるほど、と実感できます。

 

 

いい情報がてんこ盛りなので吸収するのに時間がかかりそうです

STだけでなくOT・PTにもお勧めできると思います (゚д゚)ウマー

 

 

 

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