転倒予防にオススメの運動 (訪問看護師さん向けの転倒予防の講義③)

前々回転倒予防の重要性について、前回転倒の原因について詳しく話をしました

 

今回はその原因を踏まえて具体的な対策について話を進めていきたいと思います

 

転倒の原因はこんなんでしたね

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その中でも転倒に対して影響が大きいのが「筋力低下」で「筋力低下のある人は筋力低下のない人に比べて6.2倍も転倒しやすい(RR=6.2)」 ということが分かったのでしたね

 

 

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オススメの運動

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そこで転倒の原因で1番影響が大きいのが「筋力低下」なので、それを改善するぼくのオススメする運動を紹介していきます

 

 

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ただオススメの運動って言われても、そもそも高齢者の方で筋力が付くの?って思われる方も多いと思います

その答えはコチラのスライドになります

 

 

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こちらの棒グラフは「8週間のマシントレーニングによる各年代の筋量の変化」を表しています

高齢者(61~80歳)の方が若い人(21~40歳,41~60歳)よりも筋量が増加したという、面白い結果になっています

この原因を考えてみると、若い人は普段の日常生活で活動量が多いため筋量が高いレベルで維持されていたのに対して、高齢者は活動量が少ないため筋量が低いレベルであったのではないか、と思われます

もともと筋量が高い人が更に筋量を上げるのは難しいですが低い人が筋量を上げるのは簡単なためこういう結果になったのではないか、と推察できます

 

でもね

高齢者の方がトレーニングによる伸び代(しろ)が大きいのは確かな訳なんです

という事で高齢者も若い人と変りなく筋力はつくという事です

 

 

 

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では筋肉を鍛えていきたいですが人間の身体を動かす筋肉(骨格筋)は400個近くあります

じゃどこを鍛えていったらいいのでしょうか?

 

 

 

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その答えとなるのがこちらの折れ線グラフです

 

こちらのグラフは「年齢と体の各部分の筋量の変化」を表しています

20歳の頃の筋量を100とした時に、歳をとるに従ってどの様にに筋量が変化するのかを示したのがこちらグラフになります

 

上の白い線が上腕前面でいわゆる力こぶの所にあたります、つまりの筋量です

下の緑が大腿前面での筋量を示しています

 

どうでしょう?

手と足とでは結構グラフの形が違いますね

 

つまり体の部位によって筋量の減り方には差があるんですね

手は比較的保たれているのに対して、足は右肩下がりになっています

昔の人はよく「老化は足から」 と言いますが本当だった訳なんです

 

なので筋トレをするには足の筋肉を中心に鍛える事をオススメします

 

特に最近話題のフレイル(虚弱)との関連でいいますと、足は足の筋肉でも「ふくらはぎ(下腿三頭筋)」よりも「太ももの筋(大腿四頭筋)」の方が関連が高い、と先日の研修で高橋先生が言われていました

大腿四頭筋と下腿三頭筋

 

足がピンピンしていると若くみえますよ

 

 

 

漸増(ゼンゾウ)性過負荷の原則

実際の筋トレをする前に、筋トレの効果を上げるために意識して頂きたい事があります

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それは「筋力トレーニングの原則」と呼ばれるものです

この原則に従って筋トレをすると効率的に筋肉がつきますよってものです

 

 

 

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ただこの筋力トレーニングの原則は 「漸増(ゼンゾウ)性過負荷の原則」 だったり 「特異性の原則」 だったり 「継続性の原則」、 「個別性の原則」 など沢山あります

今回はこの中でも「漸増(ゼンゾウ)性過負荷の原則」だけは覚えて帰っていただけたら、と思いますのでそれについて詳しく説明します

 

 

 

その「漸増(ゼンゾウ)性過負荷の原則」を1番わかやすく説明してくれている「」ってのがあります

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この絵は「クロトンのミロ」という絵になるのですが、紀元前に描かれたものです

 

クロトンと所の出身のミロという人を描いています

ミロという人は古代ギリシアのオリンピックのレスリング種目で6度続けて優勝した人で、古代ギリシアのスーパーヒーローです

そのヒーローのトレー二ングの様子を紹介しているのがこの絵になります

 

そのトレー二ングの方法は中々ファンキーで毎日牛を担ぐというものでした

始めうちは仔ウシだったので、重量もそれほどではなかったため普通体型のミロもひょいと担(かつ)げたのですが、仔ウシは日毎(ひごと)に重たくなります

それに合わせる様にミロの身体もちょっとずつゴツくなっていきます

最終的に牛が1番大きくなった時には、ミロの身体もその負荷に耐えれるだけのゴリマッチョになっちゃったという絵です

 

この絵は僕達に2つの大事な事を教えてくれます

 

1つは身体というのは負荷に応じて作られるという事です

いつまでも仔ウシばっかり担いでいてはゴリマッチョになる事はないという事です

つまり軽い負荷でいくら筋トレしても、筋量は増えません

「負荷を増やす」といった意味で 「過負荷」 な訳です

 

もう1つは、毎日ちょっとずつ負荷を増やしているという事です

1番左のトレーニングを始めたばっかりの普通体型のミロでは、いきなり大きな牛を担ぐ事はできません

つまり身体はいきなり大きな負荷に耐える事はできないので、ちょっとずつ増やしていかないといけないという事です

この「ちょっとずつ」が 「漸増(ぜんぞう)性」 という意味なんですね

 

 

ちなみにテレビCMで出てくるネスレのミロはこのミロからきています

いい身体をつくりましょう、とうことなんですね

ちょっと話はそれましたが元に戻します

 

 

 

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この様に負荷の強い運動は筋力をアップする改善効果はピカイチなんですが、筋肉痛などの痛みを引き起こしてしまったり、きっついので中々継続して運動ができなかったりするデメリットもあります

 

 

 

そこで筋トレをしている時の負荷の強さのポイントについてまとめると

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運動の強さとしては「少しきつい」と感じる程度をオススメします
具体的な数字で言えば「これ以上ない最高のきつさ」を10段階の10とした時、 3~4 あたりを目安にされるといいと思います

 

連続10回を休憩を挟んで2セットほどされる事をオススメします
朝1セットして夕方もう1セットする様な感じでしょうか

 

週に2~3回、できたら毎日でもしましょう
毎日して大丈夫なん?と思われるかもしれませんが、今回僕が紹介する運動は筋線維を破壊するようなメカニカルなストレスを加えるというより、代謝的なストレス加えることを想定しています

 

できるだけゆっくり動かしましょう
ゆっくり動かす事で筋肉のまわりの血流が制限されて、筋肉を成長させるホルモンが出やすくなります
また早く動かしてしまうと運動が雑になって関節を痛めてしまう事もあるので、その予防にもなります

 

息を止めない様にしましょう
息を止めて運動すると血圧が急上昇してしまいます(=バルサルバ現象)
数を数えながら運動をすると、当然息を止める事ができませんので数を数えながらする事をオススメします

 

運動直後に筋肉がだるく感じるようでしたが、本当に上手に運動できています!
ただ翌日までだるさが残る様でしたら運動が強すぎるかもしれないので、少し弱めたり回数を減らすなど加減してみてください

 

 

 

なかなか筋トレの実際にいかなくて申し訳ありません(・_・;)

 

 

 

筋トレ前にしてもらいたい2つの事

まだ実際にいく前に、してもらいたい事が2つもあります

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それはこの2つ
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1つは①「筋トレをしても良いか確認する」という事と、②「筋トレをする前に準備運動をしましょう!」という事です

まずは①の「筋トレをしてもよいか確認する」からみていきます

 

 

 

筋トレをしても良いかの確認

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筋トレをする前にしても良いかその確認なのですが、人によって病状が異なるため、筋肉をつけるために筋トレをしているのに、病状によっては筋肉を減らしてしまう場合があるんですね

何しているのかよくわからないですね。

また病気によっては筋トレをすべきではない病気もあります

 

例えば、十分な栄養がない状態(=飢餓状態)で筋トレをしてしまうと、筋肉が減ってしまったり(=蛋白異化)、だからといって十分栄養があればいいかというとそういう訳でもなくて、癌のターミナルやCOPDの末期で、悪液質の中でも不可逆的不応期にある方では、積極的な栄養療法が逆にマイナスに働いてしまったり、そもそも筋トレが不適の状態にある訳なんですね

また神経難病であるALS(筋萎縮性側索硬化症)などでは、過度な筋トレが病気の進行を早めてしまうというリスクもあります

 

なので、筋トレをする前に体の状態を1番よく分かっていくれている「かかりつけの先生」に「こういう運動をしようと思っているのだけれど、しても良いかどうか?」をまず確認することをお勧めします

 

 

でもね。

 

定期受診の際についでに先生に聞くことができたらベストなんですけど、わざわざ運動のためだけに病院受診するのも大変と思う方もいると思います

そこで「目安」となるようなチェックシートがあるので紹介します

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こちらのチェックシートは厚労省が公開しているチェックシート 【身体活動のリスクに関するスクリーニングシート. 「健康づくりのための身体活動基準2013」 参考資料4-2】 になります

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なぜこんなチェックシートを厚労省が作ってくれているのかというと、厚労省も国民に運動してもらいたいと思っている、からなんです。

10年前に比べて各年代で活動量が歩数でいうと約1000歩近く減少しており、それが生活習慣病などを引き起こし、医療費の増大を招いているそうなんですね

そこで少しでも医療費を下げるために国民に運動をしてもらおうという事なんです

 

このチェックリストはこちら(厚労省のHPからダウンロードできるPDF)P58で参照できます


運動基準・運動指針の改定に関する検討会 報告書 H25.3

 

 

 

このチェックリストでしてみて問題がなかったら、次の【 運動開始前のセルフチェックリスト. 「健康づくりのための身体活動基準2013」 参考資料5 】にいきます

 

 

それがこれ

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こちらのチェックリストもこちら(厚労省のHPからダウンロードできるPDF)P59より参照できます


運動基準・運動指針の改定に関する検討会 報告書 H25.3

 

 

 

 

ぼくが厚労省の資料を見やすいようにまとめたのがこちら


筋トレをする前のチェックシート(PDF)

 

 

 

 

筋トレ前にしてもらいたい事として①の「筋トレをしても良いか確認」を説明しました

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次は②の「筋トレ直前に準備運動をしましょう!」について説明をしていこうと思います

 

 

動的ストレッチング

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いわゆるウォーミングアップの事です

筋トレ前にできたらしてもらいもの

その効果としては、筋力発揮や柔軟性を上げたり、筋トレ時のケガを予防などが挙げられます

 

 

 

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どんな事をすればいいのかというと、関節の動く範囲の8割程度でリズミカルに動かすという動的ストレッチング(ダイナミックストレッチ)をしてもらったら、と思います

皆さんが通常思うわれるストレッチは、じんわりゆっくり筋肉を伸ばすものを想像されると思いますが、それとはかなり違うものになります

 

 

 

なぜ従来のじんわり伸ばすストレッチではいけないかといいますと、

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従来の30秒以上じんわり伸ばすようなストレッチでは、ストレッチをした後、筋力が落ちてしまう事が10年ぐらい前から言われています

これから筋トレをするのに、筋力発揮が少なくなってしまったら元も子もありません

 

それにこの従来のストレッチを運動前にする事でケガの予防に繋がったという事を示した論文を僕は見たことがありません(知っている方がいれば是非教えて下さい!)

そんな事情もあってかアメリカのスポーツ医学会では、運動前に筋をじんわり伸ばすようなストレッチ(スタティックストレッチ)を推奨していません

 

だからといってスタテックストレッチ自体が駄目というわけではなくて、あくまで筋トレ前にするのがまずいだけです

運動後に疲労回復を促進する目的でしたり、あるいは患者さんなどで過剰に力が入り過ぎるのを抑制する目的でセラピストがするのはアリではないか、と僕は思っています

 

では動的なストレッチをするとどうなるのか、を示したのが次のスライドになります

 

 

 

 

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従来のストレッチ(スタテックストレッチ)が筋力発揮が低下するのに対して、動的ストレッチ(ダイナミックストレッチ)は逆に増加という結果になっています

 

 

ではなぜ動的ストレッチによって筋力発揮が上がるのかというと

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筋肉というのは沢山の筋線維がより集まってできています

じーとしている時(安静時)には、その筋線維に一気に力が入って筋線維自体を傷つけたりしない様に、筋線維の収縮するタイミングが少しずつずらされています

それはがしてくれているんですね

 

賢い!

 

しかし動的ストレッチを行うと筋線維どうしの収縮のタイミングが次第に合うようになって大きな力が出せるという理屈です

大きな力を出したらケガをするじゃん、だから脳がそうならないようにワザワザしているんでしょ、っと思われるかもしれません

しかし動的ストレッチは同じ動きを繰り返すため、筋肉の温度が上がる事で筋の粘弾性が上昇し、損傷しにくくなるので大丈夫なんですね

 

 

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では動的ストレッチって具体的にどうやったらいいのか、について説明していきます

 

 

 

実はとっても簡単です

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図の様な運動をリズミカルに10回繰り返すだけでいいんです

 

 

ぼくが配布用にまとめた動的ストレッチ一覧(PDFファイル)


動的ストレッチ

 

 

 

 

つま先あげ

座位にて両足を前に出し、交互につま先を上げたり下げたりをリズムよく繰り返す

足を上げるだけではなくて、足の裏を床に打ち付ける様に意識

両足をいっぺんにします(難しければ片足ずつでもいいですよ)

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膝のばし

座位にて両足を交互に膝を曲げたり伸ばしたりをリズムよく繰り返す

膝を曲げる時にも力を入れるように意識

座って両足をバタ足する様な感じ。両足をいっぺんにします(難しければ片足ずつでもいいですよ)

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つま先立ち

立位にて両足つま先立ち⇔ドスンと勢いよく床に踵につける様に意識、リズムよく繰り返す。

両足をいっぺんにします。

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足上げ

立位にてその場で足踏み。単に足を上げる方だけを意識するのでなく、しっかり床に足を勢いよくドスンと踏みつける様に意識します。リズムよく繰り返す。

両足をいっぺんにします。

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何でこれがストレッチ?、全然伸ばしてないやん、って思われるかもしません

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そのあたりを説明していきます

 

 

「上腕二頭筋」がわかりやすいので、それを例に説明します

上腕の筋

上腕二頭筋っていうのは、いわゆる力こぶの筋肉です

その上腕二頭筋の動的ストレッチは、肘を曲げ伸ばしリズミカルに繰り返すものになります

 

 

上腕二頭筋が収縮すると、肘が曲がり、肘を伸ばす働きの上腕三頭筋がストレッチされます

逆に上腕三頭筋が収縮すると、肘が伸びて、肘を曲げる働きの上腕二頭筋がストレッチされます

肘の曲げ伸ばしをリズミカルに繰り返す事で、上腕二頭筋は 収縮 ⇒ ストレッチ ⇒ 収縮  ⇒ ストレッチ ⇒収縮…を繰り返す事になる訳なんです

それで筋力発揮が増えるし筋温も上がるんですね

 

ここで大事なのは目的は上腕二頭筋の動的ストレッチだからといって、肘を曲げる時だけに力をいれるのではなく、伸ばす時にも(上腕三頭筋に)ちゃんと力を入れる事が大事になっていきます

つまり動的ストレッチをしたい筋肉の拮抗筋(目的の筋とは反対の方向に関節を動かす筋)もちゃんと収縮させるという事が大事という事なんですね

 

 

 

 

 

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ここまでで、筋トレ前にしてもらいたい事である①と②の説明がやっとことさ終わりました(・_・;)

ではメインの筋トレの実際について話を進めていきたいと思います

 

 

具体的な足の筋トレ方法

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やっとここまでこれました

 

やっほー

 

 

 

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では足の筋トレについて具体的に話をしていくのですが、高齢者の方って上のスライドの写真にあるようなムキムキの方もいれば、ヒョロヒョロっとして今にも倒れそうな方もいたりして、その筋力の個人差はとっても大きい訳なんですね

この写真は極端過ぎですが…

なので今回、「筋力が弱い人向けの座ってできる筋トレ」 と 「筋力の強い人向けの立ってできる筋トレ」を紹介したいと思います

 

 

 

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それで座って筋トレをするのか、立って筋トレをするのかの判別は、「手すりなしで立ち上がれるかどうか?」を基準に行います

この判別方法はこの本から利用させてもらいました

 

座ってする筋トレ

では「手すりなしで立ち上がれなかった場合」の運動を紹介します

それは「座ってする運動」になります

91あ

それが座ってする筋トレにも沢山あるのですが、僕はこの3つをお勧めします

「あれっ前に出てきた動的ストレッチの運動と同じものがあるやん!?」と思われた方は鋭い

運動の名前は同じなのですが、「動的ストレッチの場合」と「筋トレの場合」では全然やり方が違うのでそれも説明していこうと思います

 

またこの中で1つだけ選べと言われたら、僕は躊躇(ためら)わず③の「椅子からの立ち座り」をお勧めします

なぜこの運動なのかというと、普段の日常生活の中で使う動作でもありますし、これが安全にできない事で活動範囲が少なくなってしまう患者さん方が本当に多く観られます

つまり、この動作自体が安全にできる事で活動範囲が増える事で、最近話題のフレイルの予防にも繋がる訳なんですね

 

加えてこの立ち上がり動作というのは「キング オブ 筋トレ」であるスクワットに近似した動作であるため、下肢だけでなく体幹などの全身の筋トレにもなります

もちろん1番鍛えたい太ももの筋肉(大腿四頭筋)に対する刺激もかなり大きいです

また僕の尊敬する筋トレ界の権威であり、ボディビルダーでもある東京大学の石井先生がお勧めしている運動でもある事も大きいです

 

 

こちらは「座ってする筋トレ」の配布用資料(PDFファイル)


座ってする筋トレ

 

 

 

 

 

ではそれぞれの運動について見ていきましょう

 

①筋トレの「つま先あげ」

動的ストレッチの所でも同じ名前の運動がありましたが、全然やり方が違います

その違いも意識しながら見て頂けたら面白いと思いますよ

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こんな感じ

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この「つま先あげ」は足部を上げる筋肉である「前頚骨筋」を鍛える運動です

前頚骨筋3

 

この筋が弱いと歩く際につま先が引っ掛かりやすくなり転倒のリスクが高まります

 

動的ストレッチの所では両足一気にリズミカルに足をパタパタしていましたが、筋トレでは片足ずつゆっくり行います

全然やり方が違いますよ

 

膝を伸ばしてつま先がしっかり見える位置に足部がくる様にしましょう

できたら下腿の外側に手を触れながら行います

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このへんに前頚骨筋があります

つま先をゆっくり上げていき、しっかり上げきったら1,2秒静止しましょう (フィニッシュはしっかり意識しましょう!

そしてゆっくり元の位置に戻します

 

また膝をなぜ伸ばした状態でした方がいいのかといいますと、より歩いている状態に近づけるためです

転倒の原因の所のスライドを思い出してもらいたいのですが、「筋力低下」の他に「歩行能力の低下」が上位にあったと思います

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僕らが歩いている時というのは、膝はしっかり曲げた状態よりも伸ばした状態の方が近いです

膝を伸ばした状態でしっかりつま先を上げる筋力をつけたい訳なんですね

歩く際につま先をしっかり上げれる筋力の増加は、歩行能力の向上にも繋がり、転倒予防にも繋がるんです

 

 

 

②筋トレの「膝伸ばし」

この運動も動的ストレッチの所でも同じ名前の運動がありましたが全然やり方が違います

その違いも意識しながら見て頂けたら面白いですよ

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こんな感じ

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「膝伸ばし」の運動を説明していきます

 

この運動は膝を伸ばす筋肉である「大腿四頭筋」を鍛える運動です

特にこの大腿四頭筋はフレイル(虚弱)との関連の1番深い筋 と言われているのでとっても重要です

大腿四頭筋A

 

 

動的ストレッチの所では両足一気にしてバタバタ足を動かしていましたが、筋トレでは筋トレでは片足ずつゆっくり行います

 

できたら太ももを触りながら行いましょう!

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足部をしっかり上げたら、つま先が自分の方にしっかり向くように意識

この運動も足部をゆっくり上げていき、上げきったら1,2秒静止しましょう (フィニッシュはしっかり!

そしてゆっくり元の位置に戻します

 

 

 

③「椅子からの立ち座り」

この運動はぼくが1番おススメする運動です

3

 

こんな感じ

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この運動は大事なので特に詳しく説明します

 

この運動では、先ほど紹介した筋肉(前頚骨筋・大腿四頭筋)はもちろん、下肢の殆どの筋肉と、体幹・上肢の一部の筋肉を鍛える事ができる とっても優れた運動になります

 

今回の椅子からの立ち上がりでは、手すりがないと立ちあがれない方を想定していますので、手すりなどは引っ張っても動かない重たいもの置くなどして使って下さい

また手すりを使って立ち座りができる人でも 「きつすぎる」 と感じる方は、椅子の座面を高くすると少し楽にできますので調整してみてください

座面

 

 

①両足を肩幅程度に開いて、手前に引きます

q1

足を前に出し過ぎると、つっかえ棒の様になって立ち上がりにくくなってしまうので、足は手前に引きましょう!

足は肩幅程度に開いておきます

 

②手すりを軽くつかみます

q2

できるだけ足の力を使うため、手すりは軽く持つように意識してみて下さい。理想は添えるだけ

 

 

③ゆっくりおじぎをして、できるだけゆっくりお尻を持ち上げます。太ももの筋肉が張るのを感じましょう!

手すりなしでも安定して立ち上がれる方は、太ももをつかんだ状態で立ち上がって、筋肉がピクッとするのを感じながら立ってみましょう!

q3

 

④しっかり前を向いていい姿勢で立ちます (フィニッシュはしっかり!)

q4

動作の終わり(フィニッシュ)をしっかり意識することで、効果的に運動を行う事ができます!

 

 

⑤しっかりお尻を突き出す様にしてゆっくり座りましょう。この時にも太ももの筋肉のハリを感じながらすると、とっても効果的です

q5

お尻を後ろに突き出せば突き出すほど、足の筋肉を鍛える事ができます!

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⑥いい姿勢で座ります (フィニッシュはしっかり!)

q7

動作の終わり(フィニッシュ)をしっかり意識することで、効果的に運動を行う事ができます!

比較的安定しているなら1回ごとに手すりから手を離す事をオススメします。

その方が体を前にもっていく(前方へのリーチの)いい筋トレになります!

 

 

「立ち上がり」についてまとめた配布用資料(PDFファイル)


椅子からの立ち座り

 

 

 

 

これで「座ってする筋トレ」は終わります

今度は「立ってする筋トレ」を説明していきます

 

 

立ってする筋トレ

90あ

「立ってする筋トレ」は、手すりなしで椅子から立ち上がれる方が対象です

 

 

「立ってする筋トレ」も沢山あるのですが、僕がお勧めするのはこの3つ

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この運動も動的ストレッチの所で紹介した運動とカブっているものが2つありますが、名前は同じですがやり方は全然違います

またこの中で1つだけ選べと言われたら、僕は躊躇(ためら)わずまた③の「椅子からの立ち座り」をお勧めします

理由は前回説明したのと同じです

 

 

こちらは「立ってする筋トレ」の配布用資料(PDFファイル)


立ってする筋トレ

 

 

では1つ1つ説明していきます

動的ストレッチとの違いを意識しながらみられると面白いと思いますよ

 

 

①筋トレの「つま先立ち」

この運動も動的ストレッチの所でも同じ名前の運動がありましたが全然やり方が違います

その違いも意識しながら見て頂けたら面白いですよ

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こんな感じ

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この「つま先だち」は主にふくらはぎ(下腿三頭筋)を鍛える筋トレになります

下腿三頭筋

「動的ストレッチのつま先立ち」は上げたり下げたりリズミカルに繰り返し、踵を勢いよく床にドスンと落とす様な動きでしたが、「筋トレのつま先立ち」はドスンという事はありません

 

踵をできるかぎりゆっくりあげ限界まで上げたら、つま先立ちの状態で1,2秒静止(フィニッシュはしっかり!)して、ゆっくり踵を降ろします(ドスンではないです)

ふくらはぎが張る感じを味わいながら行いましょう!

 

連続10回ぐらいゆっくりすると結構ふくらはぎがだるく感じると思います、もしそうなれば上手いこと筋トレができている証拠です

 

 

 

②筋トレの「足あげ」

この運動も動的ストレッチの所でも同じ名前の運動がありましたが全然やり方が違います

その違いも意識しながら見て頂けたら面白いですよ

6

 

こんな感じ

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足上げは主に足を前に踏み出す時に使う 「腸腰筋」 を鍛える運動になります、歩行立った時の姿勢に関与する重要な筋です

腸腰筋

「動的ストレッチの足上げ」はその場でバタバタ足踏みする様な運動でしたが、「筋トレの足上げ」は全然違い片足ずつゆっくり行います

 

ゆっくり片足を上げていき、上げきった所で1,2秒静止(フィニッシュはしっかり!)してゆっくり足を下ろしていきます

上げきった時にはつま先もこれ以上、上がらないぐらいしっかり上げておくように意識して下さい

 

プルプルすると思いますがw

 

この運動が楽にできる様な方は、上げた足を少し前にゆっくり踏み出す様にしてみてください

安定してきたら徐々にゆっくり大きく前に出すように意識してみましょう

 

また足を前に大きくだすのが簡単に感じられる様になった方は、踏み出すスタート位置を徐々に後ろに引いてみましょう

足を後ろに引いた状態から前に大きく踏み出す様にして動かします

この運動はステップ動作練習という運動になるのですが、なぜこんな事をするのかといいますと歩行に似せているんですね

 

 

転倒の原因の中に「歩行能力の低下」があったと思います

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それも一緒に改善してみようと欲張りな事をしているですね

 

 

立ち座り

3

基本的な内容は「座ってする運動」の所でいった内容と同じなので、詳しくはそちらをご参照下さい

 

 

ただ今回こちらで紹介する立ち座りは手すりなしでも立ち座りが可能な方が対象という事なので難易度を少し上げてみましょう!

膝など関節が痛くない範囲で座面を低くした状態からの立ち座りや、手すりには殆ど触れている状態でチャレンジしてみることをおススメします

座面

 

 

 

これで足の筋トレの話は終わりたい所なのですが、こんな疑問を持たれる方もいるかもしれません

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座るのが難しい患者さんの転倒は中々考えにくいのですが、寝てする筋トレという事でついでに紹介します

 

 

寝てする筋トレ

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寝てする筋トレも沢山あるのですが、ぼくがお勧めするのはこの3つです

この3つの中から更に1つに選べと言われたら、ぼくは②の「足あげ」を選びます

 

③の「お尻あげ」もとってもいい運動で、これができる様になるとおむつ交換の時や、ベッド上をずって移動する際にも使えたりするなどADLにも繋がるとってもいい運動です

しかし、虚弱(フレイル)の進んだ方にこの筋トレをしてもらうと、筋の協調的な運動が行えないためか、太ももの後ろ側(ハムストリングス)が過剰に収縮してつってしまう(筋痙攣)場合が多く観られます

あ痛てててて…となってしまう方が多いんですね

つってしまうと、かなりの痛みを伴なうので筋トレのモチベーションが下がるリスクがあるのと、②の「足上げ」でも③で鍛えたい筋肉と殆ど同じ筋肉を鍛えられるので今回は②としました

 

 

こちらは「寝てする筋トレ」の配布用資料(PDFファイル)


寝てする筋トレ

 

 

「つま先あげ」

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上のスライドでは自力で頭を挙げて足先が見える様にしています(・_・;)

座るのが難しい様な患者さんではもちろん頭を挙げておくのがむずかしいので、枕を高くしたり、ベッドの頭の部分がリモコンで挙げれる場合には、運動前に頭の部分を上げて足先が見えるようにセッティングしてあげて下さい

 

 

こんな感じ

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この運動で鍛える筋肉は「前頚骨筋」で足のつま先を上げる筋肉です

前頚骨筋3

 

両膝は痛みのない範囲で伸ばした状態で行いましょう

両足先をゆっくり限界まで上にあげます

足先を上げきった所で1.2秒静止(フィニッシュはしっかり!)してゆっくり戻します

連続10回ゆっくり繰り返します

 

 

「足あげ」

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こんな感じ

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この運動は片膝を立てて行います

片膝を立てずに足を上げてしまうと、腰椎の前弯を強めて痛みを引き起こしやすくなるためです

 

上げる方の足は、痛みのない範囲で膝を伸ばした状態で行います

できるだけ足が体から離れた高い所までいくように、限界まで足を高く上げましょう

その際上げきった所でつま先が自分の方にできるだけ向くように意識してみてください

限界まで上がった状態で1.2秒静止(フィニッシュはしっかり!)してゆっくり戻します

 

この筋トレでは、上げた方の足では「腸腰筋」や「大腿四頭筋」が主に鍛えられ、膝を立てた方の足では「大殿筋」や「ハムストリングス」が主に鍛えられます

腸腰筋

大腿四頭筋A

大殿筋、ハム

 

 

 

「お尻あげ」

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こんな感じ

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この運動で主に鍛える筋肉は「大殿筋」と「ハムストリングス」です

大殿筋、ハム

両膝を立て、お尻を限界までゆっくり上にあげます

限界まで上がった状態で1.2秒静止(フィニッシュはしっかり!)してゆっくり戻します

 

これで足の筋トレの説明が全て終わりました

 

 

 

最後にまとめ

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今回の話の前半では、転倒予防が患者さんの安楽な生活を維持するだけでなく、自分やステーションを守る事に繋がるという事で転倒予防の重要性について主に話しました

 

後半では転倒は筋力低下の影響が大きいため、下肢の筋力をつける運動を紹介させていただきました

 

 

そしておまけ

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今回は訪問看護師さんが対象という事で地域高齢者の転倒予防について話をさせていただきました

 

スライドをつくる中で「地域高齢者に対する転倒予防」と「病院入院・施設入所者に対する転倒予防」とでは、対応が違う部分もある事を知ることができました

 

その具体的な対策が書かれていて、しかも無料で閲覧できる論文を発見したので紹介します


興味のある方は参考にされてみて下さい

 

 

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普段の訪問看護業務に少しでもお役に立てれたら嬉しく思います

最後まで読んで頂きありがとうございました

 

がんばっていきまっしょい!

 

 

 

なぜ転倒予防が大事なのかについての記事はコチラ ⇒ 転倒予防がなぜ重要なのか?

転倒の原因についての記事はコチラ ⇒ 転倒の原因を考える

 

 

 

参考・引用文献

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関連リンク

(ぼくがした講義・スライド)
転倒予防がなぜ重要なのか?(訪問看護師さん向けの転倒予防の講義①)
転倒の原因を考える(訪問看護師さん向けの転倒予防の講義②)
転倒予防にオススメの運動 (訪問看護師さん向けの転倒予防の講義③)
地域住民の方に転倒予防の講義をしてみた!(地域住民の方向けの転倒予防の講義)

(講義・スライドの元ネタ)
転倒予防①(転倒が寝たきりの原因となる理由、訪問看護・リハビリ と 転倒)
転倒予防②(転倒の原因、「段差」は転倒の原因ではない?)

(その他)
法人リハビリスタッフ向けに「転倒予防」の講義をしてみた!(来月の告知あり)
第43回リハビリテーション特別研修会(介護予防推進リーダー士会認定事業)
介護予防推進リーダー研修

 

 

こちらも読まれると更にブラッシュアップできますよ

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