「運動」は最良の薬!(呼吸の講習会の復習⑤)

この記事の題名はアメリカの医学雑誌「ネイチャー」の2011年に組まれた特集「Activity is the best medicine」から取りましたが、今回、講師の高橋先生も同じ様な事を言われていたので紹介します

 

「Activity」なので「運動」ではなく「活動」じゃね? と突っ込まれそうですが「運動」の方が分かりやすいと思ったのであえてこっちにしています(・_・;)

 

今回、この様な事を僕が初めて知ったのは、「クリニカルリハビリテーション」2008.vol.17.p123-128 「体力低下と 低活動」の記事で、とっても衝撃的だったので未だに覚えています

 

それは骨格筋が単なる身体を動かす運動器としての役割だけでなく、脳の下垂体や副腎などと同様、内分泌臓器でもあるという事です

 

骨格筋が収縮する事によって分泌される物質(マイオカインまたはミオカインとも言います)が、抗炎症作用、脂肪利用促進、インスリン抵抗性改善など様々な効果を示す事が分かってきています

この辺は前回の記事(COPDは糖尿病と同じ?)にも関わってくる所

 

 

ちなみにマイオカインの1つであるIL-6(インターロイキン-シックス)にはこんな作用があります
マイオカイン自作
http://jap.physiology.org/content/98/4/1154.long 図3より引用改変

 

筋収縮によって作られたIL-6が血液に乗って、身体の各組織に行って様々な作用を行います

もう本当にホルモン(内分泌腺から放出される物質)の様です

この図には描いていませんが、またIL-6はIL-6を出した筋肉自体にも作用します

 

また他のマイオカインであるBDNF(脳由来神経成長因子)には、アルツハイマーやうつ病などの神経精神疾患に対して効果があるのではないか、と期待されているそうです

すごいですね

運動によって筋から脳の神経細胞に直接働きかける物質が出ているとは

 

 

ただこの様なマイオカインを作る骨格筋ですが、骨格筋を痛めるような運動をしてしまうと、損傷部位から炎症性物質が出て悪さをしてしまう訳で、どの程度の強度・量・質の運動を行えば良いのかなど、不明な点もかなり多いです

今回、高橋先生はCOPD患者さんに対する運動の抗炎症作用について、わかりやすい「歩数」を指標に取り上げた研究を紹介して頂けました

 

それがコチラ(英文ですがフルテキストで無料)

Daily Step Count Is Associated With Plasma C-Reactive Protein and IL-6 in a US Cohort With COPD

 

 

 

この研究結果は1日1000歩増加毎に、炎症マーカーであるCRPは0.92(補正後 0.94)mg/L減少するという凄いものでした

 

こういった研究がある事自体知らないので、今回紹介して頂きとっても助かりました

ありがとうございました

 

 

ここまで読まれた方は、IL-6などのマイオカインは良い物質なのかな、と思われるかもしれませんが実はそう単純ではありません。

上記の様にIL-6には良い効果もあるのですが、細胞や組織の状態に応じて全く逆(炎症促進、動脈硬化促進ets)に働く場合もあるんです

っていうか、そっちの方が多いんですが(・_・;)

まだよくわかっていない事が沢山あります

 

 

そこで永富先生が2015年現在どこまで分かっていて、どこからが不明なのか分かりやすく書いてくれている論文がありますので、詳しく知りたい方は読まれる事をオススメします


ミオカインと骨格筋の バイオロジー

 

 

 

 

 

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