先月発売された「神経難病領域のリハビリテーション実践アプローチ」を読んでみた!

はじめに

ぼくが訪問している患者さんの3分の1 が神経難病の方になります

結構多いのかもしれません

 

そのため神経難病の方のリハビリをしていると、自分が行っている事が本当に正しいのか?他にいい方法があるんじゃないか?と不安になってしまう事があります

そのためガイドラインや学会誌などを見たりしますが、それでもまだまだ不安(・_・;)

ちょっと前は常識だったのに今や非常識になっている事が結構ありますから

 

ぼくがよく参照している神経難病の各ガイドライン

診療ガイドライン – 日本理学療法士学会
(神経難病ではパーキンソン病について記載あり)

 

 

 


神経筋疾患・脊髄損傷の呼吸リハビリテーションガイドライン
(公益社会法人 日本リハビリテーション学会監修)

 

 


日本神経学会治療ガイドライン
(神経難病の疾患別のガイドラインがまとめて記載)

標準的神経治療:重症神経難病の呼吸ケア・呼吸管理とリハビリテーション
(日本神経治療学会治療指針作成委員会編集)

 

その他日本で発表されている各種ガイドラインをまとめてみることができるHP

Minds医療情報サービス

 

 

そこで最新の本ならいい事書いているかもしれないと思い、昨年末に発売されたばかりの神経難病のリハビリについて書かれた本を読んでみました

またこの本の呼吸障害について書かれた所は、ぼくがファンの寄本先生が書かれたという事だったので、それも購入の大きな動機付けになりました

 

コチラ

写真 2016-01-11 14 34 29

 

 

 

寄本先生を勝手に紹介

寄本先生は神経難病の方の呼吸リハビリテーションにおいて沢山の論文を書かれています

また人工呼吸器の講義では「豚の肺」を人工呼吸器に繋いで、肺がどのような作用を受けているか受講者に目で見える様な形で示してくれたり、神経難病の方の呼吸状態を改善する目的で企業とコラボして器具(LICトレーナー)を開発されたりなど、とってもアグレッシブな先生です

昨年は途上国でリハの普及のため外国にも行かれたりしていました

 

 

豚の肺を使った講義

豚

http://ameblo.jp/ippozutumaeni/entry-11518222972.html より引用改変

 

ぼくも関東にいたら受講しに行っていると思います

関東の人羨まし~~

 

 

J-stageで無料で見れる先生の論文のアブストラクト

神経筋疾患における1方向弁バルブによる最大強制吸気量(Lung insufflation capacity)についてVC,MIC,PIC,LICによる換気量の比較

Lung insufflation capacity(LIC)を用いた呼吸理学療法(LIC Training)の効果
気管切開されている神経筋疾患患者における検討

 

上の論文は企業とコラボした機器(LICトレーナー)についてのものになるのですが、ぼくなりの解釈で簡単に説明しますと

 

神経難病患者さんの呼吸障害の主な原因は、呼吸筋力低下による低換気で起こる拘束性換気障害

しかし、リハビリではそんな患者さんに対して「腹式呼吸」や「口すぼめ呼吸」などの閉塞性換気障害の方にする様な理学療法が行われている

COPDでそれがよくされるため混同しているの?

 

 

同じ拘束性換気障害であるデュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)では、NIPPV や徒手、カフアシストなどの器械的咳介助( MI-E )、バックバルブマスクなどを利用した最大強制吸気量練習 ( MIC ) などがあり、ガイドラインでも推奨されている

それをやればいいのに、なぜDMD以外の神経難病患者に対してしないんだろう?

 

理由を幾つか考えてみると、MIC患者さん自身が「息止め」できる能力がないと使えないという問題点がある

神経難病の患者さんの中には、気管切開だったり球麻痺があったりで、息止めができない方も確かにいる

 

では、そのような息止めができない患者さんに対してMICをするためにはどうしたらいいのか?

その様な方には、一方向弁バルブによる最大強制吸気量(Lung insufflation capacity:LIC)なら、リーク弁を使う事で患者さん本人の「息止め」ができなくても、MICかそれ以上の吸気量が安全に得られるんじゃないかと考えられる

っk

神経難病領域のリハビリテーション実践アプローチ P111 図17より 引用改変

 

その様な考えで、以上のLICに関する研究をされて、昨年は専用の機器(LICトレーナー)を実際に作られていました

 

( ゚Д゚) ス、スゲー! 

 

そんなのもあって先生の研究には注目しています

在宅で早く使える事を本当に祈念しています

 

関連HP


「デュシェンヌ型筋ジストロフィーの呼吸リハビリテーション」 

MI-E,MICについても分かりやすく書かれています

 

 

「難病と在宅ケア」に当社開発品が掲載されました。 | カーターテクノロジーズ株式会社
LIC TRAINER …
LICトレーナーを共同開発している企業

 

 

 

この本を読んでみた感想

内容を一通り読ませて頂き今の自分が患者さんにしている内容は大きくずれてはいない、という安心感を得る事ができました(^^)

それだけでも十分読んだ価値はあったと思います

 

 

知らない事も沢山書かれてありましたが(・_・;)

 

 

ぼくが反省すべき事としては、この本の呼吸障害の所で寄本先生が書かれていたのですが、

 

PTは呼吸理学療法の排痰手技を学ぶ事に執着しがちであるが、閉塞性換気障害のガイドラインでは禁煙などの生活習慣の改善教育や運動療法に治療戦略がシフトしている(P94)

 

ぼくは呼吸介助など手技に執着しがちであるので本当に気をつけたい所

このブログでも呼吸介助などの記事なども気合を入れて書いちゃってますし(・_・;)

 

 

また安心感を特に得た部分としては、ぼくの基本的なリハビリに対する考え方として、呼吸障害の方に限らず「人の身体は動く事で正常に保たれる様なところを持っているので、それを活かす様なリハビリをすべき」 と考えて普段のリハビリに臨んでいます

 

今回、寄本先生の書かれた文章の中に

肺理学療法は日常的な身体と肺の動きをベッド上で再現する(P113)

という記載があり、ぼくの考え方と似ていたのでちょっと嬉しくなりました(^^)

 

 

寄本先生の書かれた所以外では、神経難病患者さんに関する各種統計や、PTが苦手とする法律的な助成制度コミュニケーション障害・ 摂食嚥下障害・ 口腔ケア について系統だてて詳細に書かれているのでとっても参考になります

 

 

またⅢ章では「疾患別リハビリテーションの実際」ということで、実際のリハビリ場面多くの写真とともに紹介されています

他のセラピストの治療場面やそのプログラムの詳細を知る機会が少ないのでいい刺激になりました

 

また初めて見るような弛緩性麻痺の方のアームホルダー工夫された文字盤も紹介されており、さっそくマネさせて頂こうと思います

写真 2016-03-04 8 08 56

「腕吊りベルト」 神経難病領域のリハビリテーション実践アプローチP247より引用

 

ちなみにぼくが自作したアームホルダーの記事はコチラ

片麻痺患者用の腕ホルダー自作(弛緩性麻痺・肩関節亜脱臼予防軽減)
片麻痺患者用の腕ホルダー自作(弛緩性麻痺・肩関節亜脱臼予防軽減) …

 

文字盤もこんなのがあるんですね

何だかスマホの入力みたい

写真 2016-03-04 8 07 45

「フリック式文字盤」  神経難病領域のリハビリテーション実践アプローチP252より引用

 

 

また「パーキンソン病の運動療法」としてLSVT BIGについてもちょろっと書かれていました

LSVT BIGについては、ぼくも記事にしてますので気になる方はどうぞ

LSVT®BIG 研修終了 と LSVT®BIGについて

 

 

 

 

 

 

最後に

セラピストが神経難病の方にしている自分のリハビリを振り返る上でオススメできる本でした

なんだか今回の記事は、本の内容よりも寄本先生の紹介記事みたいになってしまいましたが、ぼくはコアなファンなのでご容赦下さい(・_・;)

 

最後まで読んで頂きありがとうございました

誰かの何かの参考になれば嬉しいです

 

 

 

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