聴診の話①(肺区域・ランドマーク・目印)

はじめに

前回の話(楽な肺理学療法)の中で、体位ドレナージ(体位排痰法)を使うためには、痰がどこに溜まっているのかが分からなければならない、という話をしました

 

その時のスライド

S3

痰が溜まっている場所(肺区域:S)さえわかれば、その場所につながっている気管支(B)の向きが垂直になるようにポジショニングしてあげると重力の影響で痰が出やすくなりますよ、ということでこれが体位ドレナージ(体位排痰法)でしたね

 

ただ患者さんやそのご家族が痰の溜まっている場所を見つけるのは難しいし、また体位ドレナージの沢山のポジショニングを覚えてしてもらうのも大変、と言う事で前回の話では2つの簡単な方法を提案をさせてもらいました

 

これ

a

 

それとこれ

b

気になる方はコチラをどうぞ、2つの方法についての詳細はは記事の下の方にあります

 

 

こちらが体位ドレナージ(体位排痰法)の沢山のポジショニング

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患者さんやご家族はこれらのポジショニングは難しくて当然ですが、ぼくら医療従事者が排痰をする時は別ですね

できないといけません、ぼくらはプロですから

 

なーんてね

 

より効率よく、より楽に患者さんに痰を出してもらえた方がカッコいいじゃないですか

素人じゃないんですから

そのために痰がたまっている場所(S1~10)をスマートに見つけて、それ用のポジショニングをスマートにとってもらって、患者さんにスマートに痰を出してもらいましょう! という事です

 

その痰が溜まっている場所を見つけるのに、とっても有効な手段の1つが「聴診」なんですね

なので今回はその聴診について詳しく話をしていきたいと思います

 

 

 

聴診について

 

前置きが長くなりましたが、ここからが本番

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今回のテーマは「聴診」です

 

 

まずは聴診でわかること

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聴診で分かる事としては大きく2つあり、1つは空気の入りの具合(換気の状況)、もう1つは気道内分泌物、いわゆる痰の有無貯まっている場所などが分ります

 

 

 

そして聴診のメリット

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聴診のメリットとしては、1つ目は、血液検査などと違い患者さんに殆ど負担をかけずに何度も行う事ができるという点

針を刺すなど侵襲性はないからですね

ただしつこく聴診してたら、さすがに患者さんに嫌がられますので注意してください(^^)

 

2つ目は、障害部位の推定がリアルタイムで行えるという点です

聴診による音の変化は、画像所見よりも早く異変が現れやすい、と言われています

特にスクウォークという音は肺炎初期の15%に聞こえたりします(「読む肺音 視る肺音」P61.岡三喜男 著.金原出版)

もし病態の悪化を予言できたら患者さんや家族の信頼はただ上がりじゃないでしょうか?

もちろん悪化させない様に予防処置をとる(病院受診を勧めるなど)ことの方が大事ですけど

 

検査機器の限られる訪問看護訪問リハビリ場面では、とっても有効な武器だと思われます

 

 

聴診で使用する聴診器の各部分の名称について復習してみましょう

ASASAS

「イヤーピース」と「イヤーチューブ」を合わせて「バイノーラル」っていうのですね

僕も今回調べてみて初めて知りました(・_・;)

 

 

聴診器の装着方法です

っっq

つける直前にイヤーピースが「ハ」の字になっているが確認してください

あんまり良く聞こえないなと思ったら、逆「ハ」の字だったという事が結構ありますよ

 

 

聴診器を使う時のコツです

121

チェストピースはしっかり押し当てないと皮膚との摩擦音を拾ってしまうので、皮膚が白くなるくらいの圧でしっかり押さえつける事が大切です

 

しかし痩(や)せている方の胸は、あばら骨がボコボコ出ていて密着させることが非常に難しいと思います

そういう方には小児用の小型の聴診器を使われると当てやすいですよ

僕は小児用はもっていないので、るい痩の強い方の肺音を聴くことには四苦八苦しています

以前、一度STの方に貸してもらったところ、とっても聞きやすかったのを覚えています(STの方は頚部聴診で嚥下音を聴くのに使われていました)

 

小児用はこんなの

あと音が聞こえにくい時のコツなのですが、あまり聞こえない時には、上記のスライドの様に左右のチューブに分かれている所を上下にクイクイ軽く動かすと、耳の穴(外耳孔)とイヤーピースがフィットしてよく聞こえるようになる事が多いので、試してみてください

 

 

ちなみに僕が使っているもの(10年選手)

あw1

ちょうど聞こえにくい時にクイクイ動かす所がネームタグ(名札)になっているので持ちやすく、病棟のナースステーションに置いていても間違われて持っていかれることも少なかったです(・_・;)

 

ネームタグは別売りで楽天で購入しました

 

 

話を戻します

 

 

聴診している時のポイント

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聴診の際のポイントは3つあり、1番目が「どの部位で聞こえているのか」を把握する事

2番目が「どんな音が聞こえているのか」を把握する事

3番目が「どのタイミングで聞こえているのか」を把握する事です

 

それぞれについて詳しく説明していきます

 

 

まずはどの部位で聞こえるかについて

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音のする部位についてなのですが、皆さんカルテに書いたり、同僚に伝えたりする際に、聴診した部位をどの様に書いたり、伝えたりしているでしょうか?

 

きちんとこの様に書くのですよ、と教科書に示してくれていない影響もあり独特な言い方をされる人もいますね

 

それで聴診した本人は分かるのですが他の人はよくわからない、人によって受け取り方が違ってしまう、ということが結構あるのではないでしょうか?

 

もしその聴診した場所などについて皆んなで共有できれば、治療やケアに繋がるのに非常に勿体ないですね

 

 

 

なので場所(肺の部位)を覚えていきましょう!

 

まずは肺の大まかな場所として、上葉(じょうよう)中葉(ちゅうよう)下葉(かよう)ってのあるのですが、それらについて見ていきましょう

 

そのよりも詳しいS1~10などは後から説明していきます

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左右の肺は上葉・中葉・下葉に分かれています

細かく言うと、左肺は心臓のある関係で、中葉が上葉の舌区と名前が変わっています

 

上の図で上・中・下葉を色分けするとこんな感じ

Processed with MOLDIV

 

 

 

 

上葉・中葉・下葉の見つけ方

image-0012

骨を目印(ランドマーク)にして見つけていきます

 

乳頭などを目印にする方もいますが、男性なら胸筋の発達の具合、女性なら脂肪の付き方で全然違ってしまうので、骨で見ることをお勧めします

前面・側面・後面、それぞれからみていきましょう!

 

 

まずは前面

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上葉は第4肋骨より上にあるので、まず第4肋骨を見つけにいきます

 

DSDF春秋400日様より引用改変

喉仏(喉頭隆起)から胸の方に辿って行くと、1番最初に鎖骨のくぼみ(頚切痕)があります

 

そこから更に下に辿ると、少しでっぱりがあり、ここが胸骨角という所(ここは気管分岐部としても大事)

その胸骨角の真横から出ている肋骨が第2肋骨です

 

その第2肋骨の出っ張りを感じたら、下の方に辿っていって第3肋骨を見つけ、更に下に辿り第4肋骨を見つけます

その第4肋骨より上にあるのが上葉です

 

中葉は簡単です

その第4肋骨と第6肋骨との間にあるので、第6肋骨を見つけにいきます

みぞおちから上に辿ってもらうと引っ掛かり(剣状突起)があると思います。

その真横にある肋骨が第6肋骨です

 

下葉は基本的に前面から聴診はできません

前面から聴診しているのに「下葉から副雑音が聞こえる」とかいう人はちょっとおかしいと思われますのでご注意を。

 

 

ちょっと透かしてみるとこんな感じ

image-0014

 

 

実際の一連の流れをパラパラ動画であらわすとこんな感じです

前面のデモ2

(協力:うちの爺ちゃん;プリンあげるといったら快くモデルになってもらえました)

 

 

 

このへんでランドマーク(骨)を探す時の注意点について簡単に説明しておきたいと思います

 

ランドマーク(骨)を探す時の注意点

写真 2017-03-07 9 03 40

ランドマークである骨を探すことに夢中になってしまうと、どうしても指先で探しがちになってしまいます

 

被験者(患者さん)にとって指先でグリグリ触られると痛みや嫌な感じがするため、無意識に力が入り筋肉が緊張してしまいます(= 防御的収縮)

そのためよけいにランドマーク(骨)がわかりずらくなって、よけいにグリグリ探してしまう、と悪循環を引き起こしやすいです

 

なのでランドマーク(骨)を探す際には、指先(点)で探すのではなく上の写真の様に面で探す様にすると、コチラもわかりやすいし患者さんも緊張しにくくてgoodですよ

 

 

参考にしてみて下さい

 

 

 

続きはコチラ ⇒ 肺を横と後ろ からみた際の上葉・中葉・下葉の位置関係

 

 

 

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