第1病院の勉強会(山田英司 先生 20140427)
今回、第1病院で膝関節で有名な山田先生の勉強会があったので行ってきました。
忘備録的に書いておこうかと思います。
あくまで私のフィルターを通したものなので、先生の仰りたかった事や内容そのものではない事をご容赦の上お読み下さい。
先生は徳島文理大学から、昨年?坂出にある回生病院(402床)の関節外科センター付属理学療法部に移られた様子(ヘッドハンティングされたのでしょうか?)。ここのセンターは40床なのにPT11名も在籍し、外来でfollowも行っているそうです。
先生は膝関節についての研究を多くされているので、今回は膝の話なのかと思ったのですが、実際は臨床での問題点の抽出や考え方(ヤンダアプローチ)についてでした。
初めに、今回の話は先生個人の意見という事でエビデンスレベルとしては一番低い6であると強調された上で、普段臨床でどのようにしているのかについて話して頂きました。
まず異常かそうでないかを判断する簡単な基準として、フォームが美しいか否かに着目されており、
美しくないのは運動学的に効率が悪く、それは各関節が独立した運動が行えていない結果のため、どこかが無理(代償)している事を示している。それが治療対象になるということでした。
そのため、PTのアプローチ前後でうまくいったか、そうでなかったかを見るのにも、フォームが美しくなったかどうかを1つの基準にするといいらしいです。
代償を嫌う神経生理学的アプローチに対して、多少アレルギーがある私個人の意見を言えば、運動の難易度をこちらが調整した上で、どうしても生じてしまうような代償は悪ではなく、どちらかというと利用するという考え方(特に神経疾患)なのですが、特に整形疾患の患者さんの治療を行う際には参考になると思います。
また先生は、できない動作があるから、そのできない動作を単純に練習するのは、素人の考え方で、なぜできないか、まずはその動作ができるような(体の)環境を整えましょうという事を言われていました(私がそうですが、課題特異性の観点からツッコミたい方もいるかもしれません)。
まずは環境の重要な要素の一つである姿勢を取り上げられて、生体力学的な観点から、その姿勢と骨盤との関係の話がありました。
なぜ骨盤の話が出てきたのかは、身体重心を調整する要であるという理屈かららしいです。
端座位で体幹回旋の左右差が観られた際に、調整する具体的な方法は参考になりました。
この方法を教えてもらっている最中に、私がある実習先で教えて貰った方法と非常に似ているなぁと思って面白く感じていました。
それはpusher症状のある患者さんは非麻痺側上肢で押してしまって麻痺側後方へよく倒れやすいのですが、
非麻痺側上肢で非麻痺側前方へ押してもらうようにセラピストが誘導すると座位が一時的に安定することが結構観られます。
その実習先は、博多先生(AKA-Hの創始者)の考え方に基づいてされている所でしたが、その非麻痺側前方に押してもらうよう誘導する方法が、先生の重心を移動させるための骨盤の誘導にかなり似通っていました。
山田先生の考え方でいくと、pusher症状の改善は、非麻痺側での骨盤機能が一時的に改善したためなかなぁと思ったりもしました。
後半は機能的なアプローチとして神経生理学的な運動発達と制御の原則に基づいた具体的なアプローチの方法についての話をしていただきました。
神経生理学アプローチと聞くとCVAを思い浮かべてしまうのですが、痛みのある患者さんに対して適用できるという話が新鮮でした。